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ブログ 【一水四見(いっすいしけん)】

ある雨の日にて

雨降りでも、アトリエ内でやる仕事は結構ある。

今日も大工さんが持ってきた木材を塗装した。

何を作るのか?
それは知らないが、通常木部塗り潰し塗装の場合は、下塗りとして木部用フィラーを塗ってから色づけする。
最低でも3工程はかかるが、大工さんはいつも簡単でいいと適当な塗装をさせたがる。

木材に塗装するには、木材塗装の流儀がある。木部を生かした塗装であろうと、塗り潰しの塗装であっても。
特に、塗り潰しの塗装は木部の動きをある程度止める必要がある。膜自体は硬いのだがここぞとばかりの木材の動きには追従できる。そんな下塗りでしっかりと膜を作る必要がある。
ただ、柔らかい塗料を持っていけば脹れなどの膨張の原因になったりする。

だから、木材の塗り潰しは固くて柔らかい相反する性能の塗料を塗る必要があるのだ。

結局、木部用フィラーなど入れてる時間もないので、苦肉の策で、「IP水性速乾フロアベース」を2回塗装で良しとした。

速乾フロアは、名前の通り床用の塗料で、アクリルエポキシ樹脂である。アクリルベースなので外部にも対応できる。

この塗料は固さと柔軟さを金揃えた面白い塗料である。床用塗料であるので、表面硬度は高いが、木材の上にも塗装できる柔軟さを持っている。恐らく、木部に塗装できる床材は俺の知る限り、これしかない。

もっとすごいのは、水性アクリルゴム系の防水材のトップコートとして使えることだ。

固くて、柔らかい。これを木材に塗るのはベストチョイスだ。

工程を抜こうが、適当な塗装を求められても、ただ、言われたようなダメな塗装はしないよ。悪あがきを繰返し、その状況で最善のベストを尽くす。

それが、塗装屋、ペンキ屋ではなく、塗装クリエイターの俺の仕事だ。

俺がいつも、不快に思うのは塗装屋、ペンキ屋と呼ばれることだ。

まあ、言われても返事はしませんが、実際、俺はペンキ屋でも、塗装屋でもないのですから。

勘違いしないでくださいね。
いっしょにされるのは不愉快ですから。



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