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ブログ 【一水四見(いっすいしけん)】

塗り替えの注意点①

【塗り替えの注意点①】

目で見えるだけの建物の傷みばかりに気を取られてはならない。

利益主義の塗装業者や訪販売のリフォーム会社、仕事を取るためにいろんな宣伝活動をしている業者は、必ず、目に見える傷み具合を強調して不安を煽ってくる。
「こう言うひび割れがあるとそこから雨水が入り込み建物を腐らせてしまうから早く塗り替えをしないと」

たしかにひび割れがあれば雨水が入り込む。雨水が入り込んでもすぐに乾燥し、外部に蒸発するのであれば問題はない。

問題なのは、ひび割れから入った雨水が外壁内部に残留することなんだ。水分が逃げられない状態ならその水分は外気温と内部温の差から結露を発生させ、カビなどを誘発する。内部に残留する水分はカビの発生源になり、そのカビは木材を腐らせる。木材が腐るのは残留している水分から発生したカビであることは案外知られていない。
木材に限らず、モルタルもサイディングも、カビの発生により劣化する。カビは実はいろんな部材を腐らかせる力をもっている。
俺が思うに、カビと錆が建物を劣化させる原因だと考えている。

カビや錆の発生させる原因は、酸素と水分である。特に水分が残留している箇所がカビや錆の発生しやすい場所になるわけだ。

建物にとって一番大切なことは、外部からの水分の侵入を止めることじゃない。

一番大切なことは、水分を溜め込まないようにすることなんだ。仮に雨水が外部から侵入しても天気になれば蒸発して外に出て、内部に水分が残留していない状態であるなら問題はないということなんだ。

空気の流れを止めない。これが一番大事なことで、塗り替えをしたことによって空気の流れを止めてしまうことが多々ある。

塗り替えをするにあたって一番知りたいのは、建物内部に水分が残留しているかだ。水分が残留している状態での塗装は不具合を起こしやすいからだ。

それに日頃、建物内部に水分が残留している状態なら、塗装をする前に必ずやる水洗いでより水分を溜め込んだ状態になる。そんな状態で塗装すれば不具合が起きても不思議じゃない。

水分の残留は外から見てもわかりにくい。ただ、ひび割れがあれば水分が残留している可能性は高いし、窯業系サイディングの施工が反っていたり、釘の回りが割れていたりしたら水分が残留している可能性が高い。

水分が残留しているか?簡単に調べる方法は、一週間以上雨の降ってない時に、東西南北それぞれの面の外壁に、550のマスカをはり、右左下とビニールの箇所を養生テープで貼り空気が入らないようにする。これを2~3日放置しておけば、水分が残留していればマスカの内部に水滴が無数に現れる。マスカで被うことでマスカと外壁の間の気温が上昇して内部の水分が蒸発しようとする。
この水分の量で残留水分の目安になるわけだ。

残留水分がある状態での塗装は、テストでやったマスカと外壁の間と同じ状態になる。内部から外に蒸発しようとする力は結構強い。膨れや塗膜の割れが早いうちに出てくる。割れや膨れが現れない場合でも残留水分は内側から塗膜を劣化させるので、早めに変色をしたり、チョーキングを発生させたりする。
何より問題なのは、塗装したがために水分が外部に出られなくなり、木造なら木材を腐らせ、鉄骨造なら錆の発生原因になる。それに外に出れない水分は内部にたまり、やがてカビの温床になる。ビニールクロスの裏側は真っ黒なカビだらけってこともたくさんあるんだ。それも高いお金を使って塗り替えしたがために。

あまりにも建物の塗り替えを安易に考えている業者が多いんだ。

建物の塗り替えは、リスクがあるということを頭に置いてやらないと痛い目に合う。
それは、塗り替えを頼むお客様も、実際施工を請け負う業者も同じようにリスクを背負わなくてはならない。

それが改修リフォーム工事なんだよね。



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