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ブログ 【一水四見(いっすいしけん)】

淡彩色と濃彩色はどっちが長持ちする?

【淡彩色と濃彩色はどちらが長持ちするのか?】

淡彩の白系と濃彩色の黒で同じ種類の塗料を塗ったらどちらが長持ちすると思いますか?

俺の見解だと濃彩色の黒に軍配が上がると思うのです。

塗膜の劣化を促進してしまう大きな原因のひとつが「紫外線」の影響です。紫外線があたり続けると塗膜を劣化させていきます。その劣化を促進させる主なものが、最近やたら注目されているラジカルの発生です。

ラジカルとは、一度結合した原子や分子が紫外線などのエネルギーが加わることで、解裂することです。

今でこそ、ラジカル制御技術だとか、鼻高々に言われていますが、少し前から、紫外線吸収剤や紫外線安定剤などのハルス技術などやUV抑制技術など、塗料にはこのラジカル制御技術は折り込まれていたんだ。

もっとも、紫外線などのエネルギーの影響でラジカルを発生しやすいものが、酸化チタンとされている。酸化チタンは白の顔料として使われたり、体質顔料としても塗料内に混ぜられている。

塗膜がラジカルが発生するとチョーキング現象がおこる。塗膜を手でさわると白い粉がつくやつだ。

そう、淡彩色の白が一番、紫外線の影響をうけて塗膜劣化が早いのだ。

白が最も紫外線の影響を受けやすく、黒の方が紫外線のエネルギーによるラジカルの発生は少ない。

だからと言って黒が言いと言い切れない部分もある。
それは、熱の問題だ。
紫外線自体に熱はないが、紫外線や赤外線から発生される電磁波が建物などの物体にあたることで、熱エネルギーが発生する。

そこで問題なのは、黒はその熱を吸収する性質をもっている。黒に含まれる黒の顔料であるカーボンブラックなどは最も熱エネルギーを吸収するのだ。

逆に白は熱エネルギーを反射させる性質を持っているので、熱エネルギーはほとんど吸収されない。

最近、良く言われるのが、外壁材に蓄熱されることで塗膜劣化を早めると。したがって、黒は白より、蓄熱率が高いので熱エネルギーによる劣化は早い。
特に屋根などは蓄熱するため表面温度が黒の方が高温になる。白の方が明らかに温度は低い。熱エネルギーをしっかり反射させているからである。

白が熱エネルギーを反射していると塗装業者なら実感しているだろう。
夏場の屋根の塗装をすれば黒のような濃彩の方が白よりも暑くないはずだ。白なんて屋根に塗装したら、ものすごく暑くてたまったもんじゃない。白は熱エネルギーを反射しているのが、自分にあたるからより暑く感じるのだ。黒は反射するより屋根材自体に熱エネルギーを吸収するから白ほど熱くない。

俺は熱エネルギーの影響はそれほど考えなくていいと思うのだ。車を見てみればわかるが、白と黒では明らかに白の方が早く劣化している。黒はキズや艶落ち、多少の退色は見られても、塗膜自体の樹脂の劣化は白よりも進行は遅い。

地球温暖化の影響で熱エネルギーが大きくなっているのは否めないが、今のところは塗膜の劣化が遅いのは黒などの濃彩色だ。

それから、太陽光高反射熱塗料(遮熱塗料)や断熱塗料は建物内部の温度は下げるけれど、外気温は高くなることを忘れずに。
住宅を壁から屋根まで全て遮熱塗料で塗装した場合。反射した熱エネルギーはとなりの家に反射して、となりの家が熱エネルギーを吸収しやすい外壁なら、となりの家の室内温度は高くなることもある。

遮熱塗料は太陽からの熱エネルギーを建物内部に吸収させにくくするだけで、反射さしてどこかに飛ばしているだけなので、外気温は熱いだけ。

後、黒の顔料であるカーボンブラックは大変優れた顔料で紫外線の影響も受けにくい。しかし、熱エネルギーを最も吸収しやすいので、先ほど述べた遮熱塗料や断熱塗料には使われていないので、遮熱塗料や断熱塗料は通常の濃彩色の塗料より紫外線劣化は早い。同じメーカーの同じシリコン樹脂なら遮熱タイプの方が明らかに劣化が早いことを頭に入れておいた方がいい。

昔は白系の方が耐候性が良く、色物の濃彩系の方が劣化が早いと語られてきたが、それは間違いないなのである。



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