塗料販売店の責任

塗料の販売をしていく上で、お客様との関係を考えることがある。

良く、｢お客様は神様｣だとか、｢お客様第１主義｣だとか、かっこいい、嘘臭い詭弁を言う者もいる。

俺の考えるお客様は、塗料の品質を下げさせない塗装をしてくれる塗料購入者だ。

俺は塗料の販売をする上でのこだわりがある。塗料を売るからには、その塗料の品質を俺が守るということだ。
塗料は、塗装して始めてひとつの製品になる。塗料だけではまだ、ひとつの製品にはなっていないのだ。
メーカーと塗料販売者と塗料を塗る者が始めてひとつになり、製品を作るのだ。

その塗料がしっかりとした製品に成るか否かは、塗る者次第なのだ。

だからこそ、塗料の品質を下げさせないようにしっかりとした指導が必要なのだ。指導するには自らがその塗料を触り品質性能を熟知するまで触り続けなくてはならない。

ほとんどの塗料販売店は、自らが販売する塗料を触り、性能や性質を知り尽くす努力をしない。メーカーの言いなり、困ったらメーカーに聞けば良いという無責任ばかりだ。

俺が前の会社を辞めたのも、自らの考えで塗料販売をやりたかったからだ。
塗料販売に対してことなかれ主義では居たくなかったからなんだ。

今は、どの塗料メーカーでも仕入れられる状態になったけど、やはり、自分が惚れ込んだ塗料ばかりを販売している。

様々な塗装工事を請けているのは、自らが塗料を扱うことができるからだ。塗料は実際施工しなければ何もわからない。論より証拠なんだ。いくら、カタログやメーカー営業マンの説明をうけようと、実際塗らなきゃ何にも見えて来ないんだよね。

俺は一日一度は何かしらの塗装をしている。実際、自分が塗って良いものしか、職人には使わせない。
それは、塗料の販売でも、塗装工事でも同じ。　

それに、流行りの塗料には惑わされない。たくさん売れている塗料だろうが、そんなことには惑わされないんだ。

自分が満足できない塗料は、｢売らない、使わない、使わせない｣塗料三原則だ。

俺は、｢自己満足第１主義｣だ。｢塗料品質重視　塗料品質第１主義｣だ。

間違っても、｢お客様第１主義｣なんて嘘臭いことは言わない。そんなことは思っていない。

俺が守りたいのは塗料であって、塗料の品質だ。

塗料の品質を下げるような悪質なお客なら、ケンカすることも躊躇しない。
塗料の品質を守るためなら。

こんなこと、塗料販売店の会社という看板を背負っていたらできない。ことなかれ主義でいないと会社には務められない。

だから、俺みたいな人間は独立した方が会社のためだ。

今、やっと自分の信念通りの塗料販売をやっている。俺を嫌いな奴らはたくさんいるけど、俺は塗料の品質を守れるなら、そんな人間の数など気にもならない。

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悪事は己に向え　好事は他に与え　己を忘れて他を利するは慈悲の極み

ブログ【一水四見(いっすいしけん)】